小麦


貴女に会ったのはもう10年も前になるでしょうか。
色黒で髪は茶髪、小柄ないでたちで気が強そうな感じも、
見た目とは裏腹で、割とナイーブでなつっこいのかな?
とも感じていました。

初対面なので仕方が無いのですが、暫くは抱っこも出来ませんでしたね。

ほとんどっていう程家族以外は人見知りをして、側に来てくれも
くれませんでした。

そんな貴女は親友の愛娘(ペット)犬の小麦でした。

可愛らしいキャシャな姿に、愛くるしい大きな目と垂れ下がった
大きな耳が特徴で、極めつけに走った姿は男勝りのがに股でした。

そんなある時、(小麦)家族が我が家に遊びに来てくれました。
(以前から来ることは、話が出ていましたので知っていました。)

時間がないからとプチリホームをしなければと作業に取り掛かります。
それは、2階のウッドデッキバルコニーの床の隙間が大き過ぎて、
(小麦)の細い足ではその隙間に挟まってしまうと言うものでした。
そのプチリホームのお陰もあってか?心が通じて私も我が家も受け入れて
くれました。

我が家にもメスの犬のCoCoがいるのですが、殆どじゃれ合うことのない
我がCoCoも性格が合ったのか、追っかけっこして仲良く遊んでくれてました。

確かCoCoよりも4歳ほど上のお姉ちゃんだったと思います。
その時は家犬まったりで散歩以外は何処にも行かないCoCoも刺激を貰いました。

あれから2年程経ったでしょうか?

ある日、(小麦)の体調があんまり良くなく、ご飯も水分もそこそこで、
散歩が大好きだったのに…それも出来ないと。聞かされました。

それから数日後、今度は時々吐いたり、排便も柔らかめで明らかに
衰弱してきているのは確かで、これまでも入退院を繰り返していたそうです。

そんな彼女も心配をかけまいと誰に対しても元気に振る舞っていたようです。
色々と対処を施され、家に戻って来る事ができ、3・4日は平穏に過ごせたようです。

それもつかの間で、ある早朝に現場の親友から(小麦)の容態が急変して、
これから自宅へ戻ると言うものでした。

病院に連れて行ったら、そのままお泊りとなってしまった様です。

翌朝、親友からのメールで【小麦】が亡くなったと。言葉が見つかりませんでした。

彼女は皆に愛くるしさと喜びを与え、14年11ヶ月26日の生涯を閉じ旅立ちました。

向こうでお姉さんの(おいも)と仲良くね。色々とありがとう!安らかに!



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